あおいちブログ

ITmedia新卒採用担当のブログです。

覆す力

今日は夏の終わりスペシャルということで(勝手に)、
激烈おすすめの本を突然紹介させていただきたいと思います。
はじめに断っておきますが、人事部ブログとはいえ
キャリアプランを考えるときにおすすめ!とかこれからのメディアを考えるうえで必見!
とかの類じゃないです。すみません。
むしろ「あー自分ダメかもなー……」とか思っちゃう日に読みたい本です。

さて皆さん。将棋って好きですか?
ハチワンダイバー」とか「3月のライオン」とかのアレです。私は好きなんです。
指す将棋ファンならぬ“観る将棋ファン”──いわゆる“観る将”というやつですね。

自分で積極的に指すわけでもないなら、なんで好きなの?と言われることも多々あります。
理由は明白で、将棋のプロである“プロ棋士”がとんでもなく魅力的な人たちだから、です。
イベントや本などで見られる発言、その人自身が持つストーリーなど、知れば知るほど
スポーツ選手を応援するのにも近い気持ちで声援を送ってしまってるわけです。

2014年8月29日現在、現役棋士は159人。
数百万人いる将棋人口の頂点、ごくごく限られた超天才たちの集まり。

そのなかでも名人位とともに、最高峰のタイトルを呼ばれる竜王位を保持するのが、
全力でおすすめしたい本「覆す力」を書かれた森内俊之先生です。

覆す力(小学館新書)

覆す力(小学館新書)

あまりにもベッタベタで恐縮なんですが、
この本を読んだ今年の2月頃、私は広告営業としてかなりダメダメな日々を過ごしておりました。
どんなに頑張って提案に行っても、なかなか案件が決まらない。目標金額に届かない。
次にうまく行くイメージがわかない……そんななか、見事に衝撃を受けたのが次の言葉でした。

好調な時期がいつまでも続かないように、不調な時期もいつまでも続くわけではない。
そのときは大変でも、好調になったときのことを考えておくのも大切だ。
好調期に向け、自分が進化できるように準備をしておくのだ。

──「覆す力」森内俊之小学館)より引用

かっ……こよすぎます!!! かっこよすぎません???
不調なときにこそ、次の好調期のときのために準備をしておく……
言うほど簡単なことじゃないですよね。
不調なときってむしろ何にもやる気なくなっちゃいます。
でも確かに、なかなか案件が決まらなくって逆に時間ができたときこそ、何をするか。
新しいアイデアを企画にまとめたり、手が回らなかったデータを作ったり、
できることがあるはずなんですよねー。。

どんなトップの棋士でも、勝率が8割を越えることはなかなかありません。
逆に言えば2割~3割程度は、どんなに強い棋士でも負けてしまうわけです。
10回に3回は勝てない世界だからこそ、そこでトップに君臨する人はこうおっしゃるわけです。

すべての将棋に勝つことはできない。ならば、負けをいかに有効に活用し、
そこから何を学ぶかを考えるべきだろう。
成長につながる一つの負けが、のちの二勝、三勝をもたらしてくれる。

私にとって、敗戦は勝利のための必要経費のようなものだ。

ああかっこいい。「敗戦は勝利のための必要経費」、名言すぎます。

負けるのは確かに嫌です。ものすごく嫌です。
魂込めた企画をお客さんに提案して他社と競り負けるのも嫌ですし、
万全に準備したはずのプレゼンを上司にツッコまれまくるのもヘコみます。

思い返せば就職活動中も、そんな気持ちになっていたような気がします。
気合込めて書いたエントリーシートが通過しなかったり数回連続で面接に落ちたり。
これ、次いつうまくいくんだろう? っていう気分になったりしてました。私は。
ただ、「不調期だっていつまでも続くわけではない」と決めてかかるのもありなはずです。

森内先生の言葉に自分を重ねるなんて超おこがましい! わー!!! と叫びだしたくなりますが
しんどいときこそ“気持ちを切らさない”姿勢、少しでも真似できたらなと、いつも思っています。

無限に書けそうですのでそろそろこの記事読みながら帰ります。
http://www.itmedia.co.jp/news/articles/1408/29/news113.html

(サイトウ)

「思う様に運ばなくても」

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おみくじを先日引いたところ、年始に引いたものとまったく同じ文言が出ました。
一年に二度も「色を慎み身を正しく」と天から忠告される私って。。。

さてこのおみくじ、願事の項目に「思う様に運ぶ」と書いているのですが、
「思うままに運んではいないけど結果的に良かった」ことって往々にしてありますよね。

先日、前のエントリを書きながら例の丸顔インタビュー
http://corp.itmedia.co.jp/recruit/interview/msaito/
を読み返していて思い出したのですが
そういえば私、最終面接では「編集記者になりたいです」って言っていたんですね。

思い返せば学生時代、音楽イベントを企画・運営するサークルに身を沈めるなかで
「就職かー、どうしようかな……。自分たちが作ったイベントにわざわざ人が来てくれるのは
 すっごい嬉しかったから、仕事にするなら何かきっかけを作ったり発信したりすることがいいかなー」
などと思っており、当時の私にとっては
「発信する側に立つ」=コンテンツを作る人になる=編集記者職一択だったのです。
とはいえ、いざ配属された広告営業で、やりたいことと違うというジレンマに悩んだ経験はありませんでした。

「営業って、あらかじめ作られた商品をただお客さんに売ってくるだけでしょ?
 そもそも広告ってよくわかんないし、ノルマとか数値目標とかも厳しそう。もし達成できなかったら……」
普段メディアを読んでいてもまったく見えない広告営業の仕事に対して、
学生の皆さんがそう思うのは当然です。かくいう私も、上述の100倍くらい不安でした。

しかし実際のところ、広告営業はありものを売っていればOKということにはなりません。
お客さんへのヒアリングにはじまり、自分たちが提供できるベストなプランはなにかひたすら考える。
今回プロモーションしたい製品はなにか? 強みは? ターゲットはどんな人たちか? 目的は?
さて、たくさんあるメディアのなかで、今回のプロモーションに最も適しているのはどれだろう。
わかりやすく伝えるためには、記事形式がいいかな? イラストや動画を入れるのはどうだろう。
マンガを入れてみるのも手だな。最近同じような案件があった気がする──
それは少なくとも私にとっては「発信する側」に立てる仕事だったんですよね。

これから就職活動をはじめようという学生の皆さんのなかには
“自己分析”なるものをしようとしている方もいらっしゃるかもしれません。
そこでわかった「自分がやりたいこと」を発端に、入りたい企業を探すことも
ただ、「やりたいこと」はどのくらいの粒度で目指すかというのも考えてみてほしいなあと思います。

・それはどの業種、業界であれば実現できることなのか?
・特定の職種以外でもできることなのか? あるいは特定の職種じゃないとできないことなのか?
・特定の職種に就ければ、働く分野は限らないのか? さらに分野も限られるのか?
・どの企業であれば目指せるものなのか? もしくは、特定の企業じゃないとできないことなのか?

「やりたいこと」を少し角度を変えて見てみたとき、
思いもよらなかった方向から、なりたい自分につながる道筋が見つかるかもしれません。
私の場合は、それが結果論だったわけですが……
「好きなことを仕事にできるか」はもちろん大事なことですが、
“会社のなかで働く”というのは何が起こるか正直わからないこともあり。
「仕事を好きになれるか」考えてみると、はじめの段階で視界を狭めずに済むかもしれません。

などなど、デスクに貼ってみたおみくじを見ながら思いつつ、
目上の人を敬って目下の人を慈しもう……と気持ちを新たにする週の真ん中なのでした。

アイティメディア人事部のブログは私が乗っ取りました

丸顔の人が広告営業について語っている、
こちらの記事を読まれたことはありますか?
http://corp.itmedia.co.jp/recruit/interview/msaito/

はじめまして。アイティメディア株式会社 人事部のサイトウです。
こちらのURLで「アイティメディアの広告営業の仕事」とは何たるかを語っている本人です。

「あれ? サイトウさん人事部? この記事ではこんなに暑苦しく広告営業を語ってるのに?」
と思った方、さすがですねー。
アイティメディアに新卒で入社して5年目の2014年夏、
私は営業部から人事部に突然の異動を言い渡されたのでした。まさに青天の霹靂。
まったくの未知の世界に踏み出すことは正直とまどいもありましたが、
まずはできることからひとつずつやっていきましょう。

ということで、2015新卒採用~研修を経て一旦ストップしておりました
本ブログ、今後は私が担当させていただきます。
今後の新卒採用&キャリア採用など
アイティメディアの採用活動に関する最新情報はもちろん、
アイティメディアはこんな会社ですよー」「こんなことをがんばってますよー」
ということが伝わるブログにできるといいなと思いますので、さっきのURLを見て、
うわっすごい丸顔だなと思った方もぜひ見ていただけると嬉しいです。

いやでもちょっと写りが悪い写真選ばれちゃってるけど実際はあそこまでじゃないと思う!
ちょっと写真変えてくれ!って広報担当の先輩に言いたいけどすごい自意識過剰な人みたいで言えない!

隣に座っている上司の目を盗みつつ、自由にやらせていただきますので
ぜひぜひ今後もたまに見に来てくださると嬉しいです。

エントリ書いたときは書いたよ!って言いますので
TwitterFacebookページもぜひぜひフォローやコメントくださいませ。
今後ともどうぞよろしくお願いいたします!

Twitter  https://twitter.com/ITmedia_HR
Facebook https://www.facebook.com/itmediarecruiting

(サイトウ)

入社したばかりなのに? 負けられないプレゼン大会(後)

 今回はプレゼンテーション大会の本番の様子をお伝えします。まずは午前中の予選です。アイティメディアチームの発表順は運良く最後。審査員も人間です。最初のチームよりも最後のチームの方が印象に残るはず……。

 一生懸命準備しているところを見ているだけに、筆者としてはどうしても決勝に進んで優勝してもらいたい。させてあげたい。と強く思うのですが、筆者にはそんな力はありません。ただ黙って見守るしかできません。というわけで、アイティメディアの出番が来るまで、他社の新入社員のプレゼンテーションを見物です。

 新入社員でなくても、準備期間がわずか1日というのは厳しい条件です。団結して一生懸命頑張ったとはいえ、各チームのプレゼンテーションを見ていると発表者が言いよどむ場面があったり、データ不足を審査員に突っ込まれて固まってしまっている場面があったり、制限時間内で言いたいことをまったく言えなかったと肩を落とす場面があるなど、まだ人前でのプレゼンテーションに慣れていないんだなと感じさせる場面があちこちで見られました。

 そして、いよいよアイティメディアチームに順番が回ってきました。各チームの失敗を見てきただけにかなり心配でしたが、発表者は落ち着いていて、言いよどむ場面もなく、データも上手くまとまっており、「自分の会社の新入社員だからひいき目に見ているのかもしれないけど、かなり上手くやっているんじゃないか?」と思わせてくれる出来でした。発表後の審査員からの質問にもはっきり答え、答えられないところは上手くかわし、すべてがスムーズに進んだという感じでした。

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予選を戦うアイティメディアチーム

見事決勝進出! だけど……

 昼休みをはさんで、午後の部の冒頭で予選結果の発表です。アイティメディアチームは……見事予選通過! 決勝進出です!! やはり筆者の感想は間違っていませんでした。決勝に進出したのは4チーム+敗者復活の1チームの合計5チームです。

 決勝で審査員を務めるのはシェア研修に参加している各社の社長、取締役です。予選ではシェア研修を運営している各社の人事担当者が審査員でしたので、かなり雰囲気が変わります。社長、取締役が浴びせてくる質問も厳しいものになるでしょう。「アイティメディアチームなら、予選と同じようにやれば良い結果が……」と思いましたが、予選よりも緊張することは確実。緊張して言いたいことを度忘れして無言で立ちつくす、なんてことにはならないようにと願っていました。

 決勝が始まってみると、どのチームのプレゼンテーションもまとまっているのですが、説明する口調がどこか緊張していて、言いよどむ場面もありました。社長や取締役が審査員という事実や、優勝したいという思いが新入社員を緊張させているのでしょうか。鋭い質問に答えられなくて無言になってしまう参加者もいました。

 そんな中、アイティメディアチームは予選と同じように自信を持って、スムーズにプレゼンテーションをやってのけました。審査員からの質問にもうろたえることなく誠実に答え、「これはまずい」と思わせる場面が一切ない安定した出来でした。

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決勝でも落ち着いたプレゼンテーションを見せたアイティメディアチーム

 その後、ほかのチームのプレゼンテーションを見ながら、「客観的に見てもこれならアイティメディアの優勝だろう」と筆者は思っていました。しかし思わぬ強敵が現れます。そのチームのプレゼンテーションは一言で言うと、説明しやすいところに絞って、上手くまとめたものでした。質疑応答では元気よく、あわてず、落ち着いて話しています。その上笑いも交えながらしゃべるので、プレゼンテーションとしてはかなりの出来です。

 アイティメディアチームのプレゼンテーションはアイティメディアという会社についてできるだけ多くのことを伝えようとしたものでした。実際に、プレゼンテーションでは大量のデータを上手く提示し、アイティメディアという会社の様々な側面を伝えることに成功していたと思います。実際、このプレゼンテーションで決勝に進出しました。しかし、強烈な印象を残すものではありませんでした。

 決勝の審査の結果、優勝は先に説明した強敵でした。しかもこのチームはシェア研修のうち、このプレゼンテーション大会から割り込んできたチームでした。最初からシェア研修に取り組んでいるチームとしてはとても悔しい結果になりました。

 アイティメディアチームは負けました。しかし、ここで感じた「悔しい」という思いはメンバーを人間として確実に成長させてくれるはずです。配属が決まり、ビジネスの現場に飛び出したら、このときの悔しさを忘れずに頑張ってください。「研修では負けたけど、実際のビジネスでは勝ってるよ」と言える日が来ることを筆者は願っています。

入社したばかりなのに? 負けられないプレゼン大会(前)

 前回お伝えしたようにアイティメディアでは新人研修に「シェア研修」を採り入れています。他社の新入社員と共に研修を受けることで刺激を受けるなど、従来の研修では得られないメリットが期待できる研修です。

 その研修が始まって1カ月ほど経ったある日、各社の新入社員がチームを組んで他社の新入社員とプレゼンテーションで勝負するという機会がありました。プレゼンテーション大会の日程は2日間。1日目に調査、資料作成。2日目は午前中に予選、午後に予選を勝ち残ったチームで決勝です。今回はプレゼンテーション大会の1日目、調査と資料作成の様子をお伝えします。

 今回のプレゼンテーション大会にはアイティメディアと、イード、オールアバウト、ガイアックス、シー・コネクト、トレンドマイクロ、マイネット、モバイルファクトリー、リッチメディアの合計9社が参加しました。1チーム最大5人で、人数が多い企業は複数のチームを作って参加です。

 実は、アイティメディアの新入社員はちょうど5名。他社の新入社員はもっとたくさんいます。つまりアイティメディアだけが1チームでの参加となりました。

 プレゼンテーションの課題は自社の事業内容のアピール。各社の新入社員は持ち込んだパソコンを駆使してさまざまなデータを調べ上げていきます。大きな模造紙にアイデアを書き込んでいったチームもあれば、議論に長い時間を割いたチーム、とにかくパソコンでデータを調べながら、メンバーと情報交換していくチームなど、やり方はチームによってさまざまです。

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大きな模造紙を使ってアイデアをまとめるチームも

 会場の片隅から筆者が見ていると、どのチームも一生懸命、真剣に作業をしています。そしてチームで一丸となって協力しあう姿がとても印象に残りました。同じ会社に入った仲間といえ、知り合ってから1カ月ほどでここまで整ったチームワークができるものかと驚きました。これもシェア研修の成果でしょうか。

会社の名前を背負ってのプレゼンテーション

 シェア研修の成果もあるでしょうが、彼らには負けられない理由があります。先に説明したようにプレゼンテーションのテーマは自社の事業内容のアピールです。上手くできなければ当然「自分の入った会社のことを何も分かっていない」と思われてしまいます。

 さらに、「あの会社が採用した新入社員はあの程度か」と会社の評判にも傷が付きかねません。入社して知り合ってまだ日が浅いと言っても、会社の名前を背負わされているのです。一生懸命になるのも当然でしょう。このように、会社の名前を背負って他社と争うというのもシェア研修ならではのことです。

 アイティメディアの新入社員5人は実に上手く分業して、必要な情報を集めているように見えました。最初は5人全員がパソコンに向かっていたのが、データが揃ってまとめに入ると、パソコンを操作する人数が4人、3人と減っていき、後ろからパソコンの画面を覗くメンバーが増えていきました。

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全員が1台のパソコンを覗き込みながら詰めの議論に入る

 こうなると全員で活発な議論が始まり、プレゼンテーションの見せ方についてあれこれ意見を交わすようになります。そして、最後にパソコンを操作するメンバーが1人になったとき、翌日の本番で使うプレゼンテーション資料が完成しました。

 全員常に前向きに、お互いを尊重して主張すべきところは主張する。そんな新入社員の様子を見て、シェア研修の効果を実感しました。そして、筆者が新入社員だったころにこんなことができただろうか? おそらく無理だろうなぁ。とも少し考えました。

 次回はプレゼンテーション大会の本番の様子をお伝えします。

新人研修から早速「社会」に出てもらいます

 こんにちは。今日はアイティメディアで実施しているちょっと変わった新人研修「シェア研修」についてご紹介したいと思います。

 このシェア研修とは、ほかの企業の新入社員と合同で実施する研修です。発案したのは人事部長の浦野平也さん。最大の狙いは研修の時点から「社会に出てもらうこと」にあります。

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アイティメディア人事部長の浦野平也さん

 新人研修とは、学校を卒業したばかりの新入社員に、社会に出て働くために必要な知識やマナーを覚えてもらう場です。新入社員が集まって、講師の先生のお話を聞いたり、名刺交換や電話応対など社会人としてのマナーを教えてもらったりというものではないかと思います。

 普通、新人研修の場にいるのは入社したばかりの同期社員と講師の先生だけです。「本格的に社会にでる前の準備」とはいえ、ちょっと閉鎖的だとは思いませんか?

 シェア研修では、複数の会社の新入社員が同じ部屋に集まって研修を受けます。お互い新入社員とはいえ、会社が異なればやはり他人です。他人同士で集まるから、実際の社会に近い状況ができるというわけです。例えば名刺交換の練習でも、同じ会社の見知った同期と練習してもどこか白々しさが漂います。シェア研修なら、本当の他人と名刺交換ができるのです。

人脈作りにもつながる研修

 最初は他人同士でも、研修を重ねていけば自然に打ち解けていき、友達ができるようになってきます。研修でも会社の壁を超えて協力しあう場面があります。浦野さんは新入社員に「君たちは会社は違うけど同期だ。ほかの会社の友達をなるべくたくさん作ってほしい」と呼びかけます。

 社会に出て働き始めると、ほかの会社と協力して事業を進めることがあります。このようなときにきっかけとなるのが「人脈」です。どの会社でも豊富な人脈を持っている人は重宝されます。シェア研修では「ほかの会社の友だち」という人脈を作る場にもなっているのです。

 また、ほかの会社の新入社員から刺激を受けるということもあります。自分の会社の新入社員だけを見て、「この中ではオレがリーダーかな」と思い、同期も認めているというような人はいるでしょう。しかしシェア研修ではそのような人がほかの会社の新入社員に刺激されて、「あいつには負けたくない」と思うということもあるのです。

 あるときはコーディングに勤しむ仲間に刺激を受けたメンバーが、会社の壁を超えて何人も集まり、集団でコーディングを続けたということもあったそうです。人脈、良い意味での競争、リーダーシップとチームワーク、自社内にとどまらない幅広い視野など、シェア研修には普通の研修では得られないもの得るチャンスがあると言えるでしょう。

 シェア研修のクライマックスに、自社の事業内容をいかに上手に伝えられるかを競うプレゼンテーション大会がありました。次回はその準備の様子をお伝えします。

未来のアイティメディアを担う新入社員がやってきました

 みなさんこんにちは。アイティメディアは4月1日、2014年入社の新入社員入社式を開催しました。今年は5人の新社会人がアイティメディアに加入してくれました。今回はアイティメディア代表取締役社長の大槻利樹から新入社員に向けたスピーチの内容をお伝えします。

社会人にとっての「時間」

 社長スピーチは、1年前の新入社員、つまり2013年新卒入社の社員5人と食事をしたという話から始まりました。

 その席で話題になったのが、社会人を1年間経験してみて、学生時代と比べて大きく変わったものは何かというテーマだったそうです。1年前の新入社員の意見を総合すると1つ目は「時間」、2つ目は「数字」、3つ目は「チームワーク」となったようです。

 1つ目の「時間」は、一番大きく感じることかもしれません。学生時代は授業があるとはいえ、自分の自由になる時間がかなり多かったでしょう。しかし社会人になるとそうはいきません。まずは毎日定時に出勤しなければなりません。

 仕事を始めると会議、打ち合わせがあったり、先輩に何かをじっくり教えてもらうこともあります。このようなときは関係者全員で時間を合わせて行動します。毎日定時に出社しなければならない理由はこのような点にあります。自分1人が勝手に遅刻したりすることは、定時に集まった人たちの時間をムダにすることになるのです。社会人にとって時間は自分1人のものではないのです。

 社会人の時間は「コスト」とも考えられます。同じ仕事を済ませるのに倍の時間をかけていたら、その分人件費がかさむと考えられますよね。時間をしっかり守るだけでなく、効率よく時間を使うことも大切だと言えるでしょう。

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新入社員に語りかける大槻社長

「数字」は偽りなく事実を伝えてくる

 2つ目として挙がった「数字」については、昨年入社の社員全員が口を揃えて「社会に出て1年間働いて、数字がいかに大切か分かった」と言っていたそうです。

 企業に入って働くということは、利益を上げるために全力を尽くすということです。企業というものの活動はお金という形ではっきり現れます。つまり企業活動のほとんどすべては数字で表現できるということです。ビジネスの世界では数字で説明できること。数字で理解することが非常に大切になります。

 企業の活動だけではありません。業績を上げるには、社員全員が目標を持って達成のために努力しなければなりません。個人の目標、実績もすべて数字に現れるのです。社会人はすべてを数字で評価されるものだということでしょう。

1人でできる仕事などほとんど存在しない

 最後の「チームワーク」は、協力して働くことの大切さを表しています。アイティメディアはメディアの仕事、広告の仕事をしています。編集担当、営業担当などなど、いろいろな職種の人が協力して働いています。社長の大槻は「1人でできる仕事などほとんどない」と語り、協力しあうことの大切さを強調しました。

 そして、多くの人が協力しあって目標を達成するには、1つ目に挙がった「時間」が大切になります。目標と結果は「数字」という形で現れます。皆で集まる会議では数字を共通の言語としてコミュニケーションを取る必要があります。昨年の新入社員が感じた学生時代と比べて大きく変わったもの3つはお互い密接に絡み合っているとも言えるでしょう。

14年の実績と誇り、そして未来へ

 アイティメディアは1999年12月に創業しました。変化が激しいインターネットの世界で14年間続けることができたというわけです。たった14年と思う方もいるかもしれませんが、これは実に大きな財産です。「配属が決まり、お客さんを訪問したときに感じるでしょう。アイティメディアがいかにお客さんからの期待を集めているかということを。これは先輩が作ってきた価値であり、誇りです」と大槻社長は語ります。

 しかし、この事実は過去の話です。過去の実績にしがみついていては発展はありません。確かに、先輩が作ってくれた価値、誇りは大切なものです。しかし未来に向かって進むには変えていかなければならないものもあります。未来のためにあえて捨てるものもあるでしょう。

 大槻社長は最後に新入社員に向けて「いずれ会社を背負う存在になってくれることを皆が期待しています。未来はまだ真っ白です。どのように描き上げていくかは皆さん次第です。小さなことでつまずくことや、落ち込むこともあるかと思いますが、未来を描くという気持ちを忘れずに頑張ってください」と語りました。

 社長スピーチの後は5人の新入社員が1人1人、社会人としてスタートを切るに当たっての決意を表明してくれました。それぞれの持ち時間はごくわずかでしたが、5人それぞれ違う趣があって、自分の言葉で何とか語ってくれていると感じさせてくれました。

 最後に担当から。新入社員の皆さん。社長メッセージでは「1人で出来る仕事などほとんどない」とありましたが、一方で社会人は「自分の仕事は何が何でもやり抜く」という責任感を持たなければなりません。大きな仕事をやり遂げるためにみんなで協力することは確かですが、あなたが担当する分は1人で責任をもってやり遂げなければなりません。社会人のチームワークとは、個々人が責任を果たしてこそのチームワークだということです。

 では、「自分の仕事を何が何でもやり抜く」には何が必要でしょうか? 「仕事をして給料をもらっている」という事実はありますが、私はそれだけでは何か足りないような気がします。「この仕事は誰よりも上手くやってみせる」とか「この仕事なら誰にも負けない」というプライドを持てること、自らの付加価値を加えることで良い仕事ができるように思います。

 「何のために仕事をするのか」という問いに、「給料をもらうため」としか答えられないのでは味気ないと思います。仕事を通して自分の存在をアピールし、市場価値を高めながら社会に貢献する。そんな社会人になって欲しいと思います。