あおいちブログ

ITmedia新卒採用担当のブログです。

覆す力

今日は夏の終わりスペシャルということで(勝手に)、
激烈おすすめの本を突然紹介させていただきたいと思います。
はじめに断っておきますが、人事部ブログとはいえ
キャリアプランを考えるときにおすすめ!とかこれからのメディアを考えるうえで必見!
とかの類じゃないです。すみません。
むしろ「あー自分ダメかもなー……」とか思っちゃう日に読みたい本です。

さて皆さん。将棋って好きですか?
ハチワンダイバー」とか「3月のライオン」とかのアレです。私は好きなんです。
指す将棋ファンならぬ“観る将棋ファン”──いわゆる“観る将”というやつですね。

自分で積極的に指すわけでもないなら、なんで好きなの?と言われることも多々あります。
理由は明白で、将棋のプロである“プロ棋士”がとんでもなく魅力的な人たちだから、です。
イベントや本などで見られる発言、その人自身が持つストーリーなど、知れば知るほど
スポーツ選手を応援するのにも近い気持ちで声援を送ってしまってるわけです。

2014年8月29日現在、現役棋士は159人。
数百万人いる将棋人口の頂点、ごくごく限られた超天才たちの集まり。

そのなかでも名人位とともに、最高峰のタイトルを呼ばれる竜王位を保持するのが、
全力でおすすめしたい本「覆す力」を書かれた森内俊之先生です。

覆す力(小学館新書)

覆す力(小学館新書)

あまりにもベッタベタで恐縮なんですが、
この本を読んだ今年の2月頃、私は広告営業としてかなりダメダメな日々を過ごしておりました。
どんなに頑張って提案に行っても、なかなか案件が決まらない。目標金額に届かない。
次にうまく行くイメージがわかない……そんななか、見事に衝撃を受けたのが次の言葉でした。

好調な時期がいつまでも続かないように、不調な時期もいつまでも続くわけではない。
そのときは大変でも、好調になったときのことを考えておくのも大切だ。
好調期に向け、自分が進化できるように準備をしておくのだ。

──「覆す力」森内俊之小学館)より引用

かっ……こよすぎます!!! かっこよすぎません???
不調なときにこそ、次の好調期のときのために準備をしておく……
言うほど簡単なことじゃないですよね。
不調なときってむしろ何にもやる気なくなっちゃいます。
でも確かに、なかなか案件が決まらなくって逆に時間ができたときこそ、何をするか。
新しいアイデアを企画にまとめたり、手が回らなかったデータを作ったり、
できることがあるはずなんですよねー。。

どんなトップの棋士でも、勝率が8割を越えることはなかなかありません。
逆に言えば2割~3割程度は、どんなに強い棋士でも負けてしまうわけです。
10回に3回は勝てない世界だからこそ、そこでトップに君臨する人はこうおっしゃるわけです。

すべての将棋に勝つことはできない。ならば、負けをいかに有効に活用し、
そこから何を学ぶかを考えるべきだろう。
成長につながる一つの負けが、のちの二勝、三勝をもたらしてくれる。

私にとって、敗戦は勝利のための必要経費のようなものだ。

ああかっこいい。「敗戦は勝利のための必要経費」、名言すぎます。

負けるのは確かに嫌です。ものすごく嫌です。
魂込めた企画をお客さんに提案して他社と競り負けるのも嫌ですし、
万全に準備したはずのプレゼンを上司にツッコまれまくるのもヘコみます。

思い返せば就職活動中も、そんな気持ちになっていたような気がします。
気合込めて書いたエントリーシートが通過しなかったり数回連続で面接に落ちたり。
これ、次いつうまくいくんだろう? っていう気分になったりしてました。私は。
ただ、「不調期だっていつまでも続くわけではない」と決めてかかるのもありなはずです。

森内先生の言葉に自分を重ねるなんて超おこがましい! わー!!! と叫びだしたくなりますが
しんどいときこそ“気持ちを切らさない”姿勢、少しでも真似できたらなと、いつも思っています。

無限に書けそうですのでそろそろこの記事読みながら帰ります。
http://www.itmedia.co.jp/news/articles/1408/29/news113.html

(サイトウ)